さ行
さ
腫瘍
細胞の異常な増殖をいい、無害なものを「良性腫瘍」、有害なものを「悪性腫瘍」とよびます。また、発生する部位によって、「固形腫瘍(こけいしゅよう)」または「液性腫瘍(えきせいしゅよう)」に分けられます。固形腫瘍は、特定の臓器・組織(乳房、肺、前立腺、大腸、脳、子宮、膵臓、皮膚、肝臓など)の細胞の塊として増殖します。リンパ腫は成熟した免疫系の細胞に生じる腫瘍で、固形腫瘍に含まれます。一方、液性腫瘍は血液中で増殖する腫瘍で、代表的な疾患として白血病などが挙げられます。
真菌(しんきん)
感染症を引き起こす病原体の一種で、糸状菌(一般でいうカビ)、酵母、キノコの総称です。いくつかの真菌は健康な人の体にも存在していますが、リンパ腫治療の影響などで免疫力が低下している状態では、真菌が感染して害を与えることがあります(真菌症)。
進行期
リンパ腫の病期分類(Ann Arbor分類)のⅢ期(横隔膜より上と下の両方に、リンパ節やリンパ系組織の腫れがある状態)とⅣ期(リンパ節以外の臓器にリンパ腫が広がっている状態)、および巨大腫瘤のある全病期をいいます。
せ
成人T細胞白血病リンパ腫(ATLLまたはATL)
ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)が白血球の一種であるTリンパ球に感染することで引き起こされるリンパ腫です。発症すると発熱、倦怠感(けんたいかん)、リンパ節の腫れ、発疹やしこりなどの皮膚症状、肝臓や脾臓の腫大などがあらわれます。ウイルスは主に母乳や性交渉、輸血(現在はほぼない)で感染しますが、感染しても約95%の人は発症しません。進行の早いタイプと遅いタイプがあり、進行の早いタイプでは抗がん剤による化学療法や造血幹細胞移植が行われます。一方、進行の遅いタイプでは、病気が進行するまで治療をせず、経過を観察することもあります(無治療経過観察)。→当サイト内「検査・診断・治療>疾患編:成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL/ATL)」参照
そ
造血幹細胞移植(ぞうけつかんさいぼういしょく)
血液細胞のもとになる造血幹細胞を輸血と同じように点滴で体内に移植し、血液をつくる機能を回復させる方法です。あらかじめ採取しておいた患者さん自身の造血幹細胞を用いる「自家造血幹細胞移植(じかぞうけつかんさいぼういしょく)」と、ドナー(さまざまな条件を満たす提供者)の造血幹細胞を用いる「同種造血幹細胞移植(どうしゅぞうけつかんさいぼういしょく)」があります。
2025年8月
HE-JP-250002730