医療費控除を知っていますか
監修:
 公認会計士・税理士
渡部 致廣(わたなべ ちこう)先生
はじめに
医療費控除とは自分や家族のために支払った医療費の一部を税金から控除する制度です。その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が対象になります。治療のために必要とした費用が医療費控除の対象になり、差額ベッド代や美容整形などは控除の対象とはなりません。
また、平成29年1月から、医療費控除の特例として、セルフメディケーション*1税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)がスタートしました。平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に健康診断や予防接種、がん検診などを受けた人が、薬局で特定の医薬品(スイッチOTC医薬品*2)を購入した場合、所得控除をうけることができる制度です。医療費控除とセルフメディケーション税制の好きな方を選択することができます。
*1セルフメディケーション:世界保健機関(WHO)において、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。
 *2医療用医薬品の成分を含み、処方箋なしで購入できる市販品のことです。
ここでは、医療費控除*3についてご紹介しています。この制度についての不明点や、申告の際に困ったことがあった場合は、最寄りの市役所や国税局、また、国税庁ホームページより税についての相談窓口をご利用ください。
国税庁:タックスアンサー(よくある税の質問)「医療費を支払ったとき」
 (https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shoto304.htm)
 [2023年9月閲覧]
 
 国税庁:質疑応答事例 所得税 「ホクロの除去費用」
 (https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/35.htm)
 [2023年9月閲覧]
 
 厚生労働省:健康・医療「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」
 (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html)
 [2023年9月閲覧]
*3 2023年9月現在の情報を元に作成
 
					