りんぱしゅ通信ホーム >  検査・診断・治療:【疾患編】MZLの症状や病期

MZLの症状や病期

監修:
愛知県がんセンター 病院長

山本 一仁(やまもと かずひと)先生

リンパ節の腫れ(しこり)や
全身症状(B症状)などがみられます

辺縁帯リンパ腫は自覚症状に乏しく、気付かないうちに病期(ステージ)が進んでいる場合があります。ステージが進んでいても無症状であることも多いのですが、リンパ節のしこりや「B症状」と呼ばれる全身症状などがみられることがあります。

B症状

辺縁帯リンパ腫を含めて悪性リンパ腫の代表的な3つの全身症状として、原因不明の体重減少、高熱、大量の寝汗があり、これらは「B症状」と呼ばれます。

原因不明の体重減少

原因不明の体重減少

きちんと食事をとっているのに、体重の減少がみられる場合があります。

原因不明の高熱

原因不明の高熱

原因がみあたらないのに、38℃以上の高熱が続くことがあります。

激しい寝汗 (盗汗)

激しい寝汗 (盗汗(とうかん))

就寝中に大量の寝汗が出て、寝間着を着替えなければならないほどひどい場合もあります。

Carbone PP et al.: Cancer Res. 31: 1860-1861, 1971より作成

リンパ節の腫れ(しこり)

リンパ節のしこりはリンパ節にできることが多く、通常、スーパーボールくらいの大きさで少し弾力があり、痛みはありません。また、それ以外の全身のさまざまな部位にみられることもあり、しこりができる部位は患者さんによって異なります。

リンパ節の腫れ(しこり)

リンパ節の腫れ(しこり)

首やわきの下、足のつけ根などにしこりがみられます。
 

原因不明の高熱

その他の内臓の一部の腫れ・圧迫

頭痛・けいれん、吐き気・嘔吐など、部位に応じてさまざまな症状があらわれます。

木崎昌弘 監:よくわかるがん治療 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 主婦の友社, p28-31, 2020より作成

病気の進み具合により、辺縁帯リンパ腫は
限局期と進行期に分けられます

辺縁帯リンパ腫は、病気の進み具合により、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期の4段階の病期(ステージ)に分けられます。4段階のうち、Ⅰ、Ⅱ期はリンパ腫の広がりが一定の場所に限られている時期で限局期といいます。一方、Ⅲ、Ⅳ期はリンパ腫がより広範囲に広がった時期で進行期といいます。 ステージによって、どのような治療を行うかを選択します。

 
リンパ節病変
 
臓器病変

限局期

Ⅰ期

首の下やわきの下など1ヵ所(1領域)のリンパ節や、扁桃腺、胸腺、脾臓など単一のリンパ節外臓器に腫れがとどまっている

Ⅱ期

横隔膜より上もしくは下のどちらか一方に、2カ所以上のリンパ節やリンパ系組織の腫れがある

進行期

Ⅲ期

横隔膜より上と下の両方に、リンパ節やリンパ系組織の腫れがある

Ⅳ期

リンパ節以外の臓器(骨髄や肝臓など)にリンパ腫が広がっている

(イメージ図)
Carbone PP et al.: Cancer Res. 31: 1860-1861, 1971より作成

日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023
「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 悪性リンパ腫総論」