神経毒性(ICANS)
川崎医科大学
血液内科学 主任教授
北脇 年雄(きたわき としお)先生
一部のリンパ腫では、二重特異性抗体療法やCAR-T療法などの治療を行うことがあります。これらの治療により体内から放出されたサイトカインが中枢神経(脳)に作用すると神経への毒性があらわれることがあり、免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)と呼ばれています。
神経毒性が出現した場合には、多様な症状がみられることがあります。なにか気になる症状を自覚したら、速やかに医師や看護師、薬剤師に伝えるようにしましょう。ICANSは患者さんご本人が症状に気づくことが難しい合併症なので、ご家族とも症状を共有しておくことが大切です。
こんな症状があらわれます
神経毒性の早期にみられる症状
ふるえ
字が書けない
うまくしゃべれない など
中等症以上の場合
眠気が強くなる
時間や日付、自分のいる場所がわからなくなる
けいれんが起きる
ないものが見える・聞こえる など
神経毒性による症状は治療開始から数日経過してからあらわれることが多いといわれています。
神経毒性の原因
治療によって放出されたさまざまなサイトカインが、中枢神経(脳)に作用することで起きるといわれています。
神経毒性のケア
まずは医療者に伝えましょう
症状を早めにとらえることが重要となります。なにか気になる症状がみられた場合は医師や看護師、薬剤師に伝えましょう。
患者さんが自分で症状に気づいて医療者に伝えることが難しい場合もあります。ご家族にも症状を共有しておくことも大切です。
症状に応じて治療を行います
神経症状の治療にはステロイドや抗痙攣薬の予防投与を行います。
日本臨床腫瘍学会 編:がん免疫療法ガイドライン 第3版,金原出版,p96-97,2023
日本造血・免疫細胞療法学会:CAR-T治療後の合併症
https://www.jstct.or.jp/modules/cart_t/index.php?content_id=43
[2025年12月閲覧]