リンパ腫の予後と再発
監修:
三重大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学 講師
宮崎 香奈(みやざき かな)先生
リンパ腫の予後
予後とは、治療後の経過や見通しのことです。
リンパ腫の予後は、リンパ腫の種類や病気の広がり方、病気の進行速度、患者さんのからだの状態などによっても異なります。
がんなどの病気では、病気の診断から5年後に生存している人の割合を表す指標として、5年相対生存率が用いられることがあります。
日本人での悪性リンパ腫の5年相対生存率は、67.5%といわれています(2009~2011年統計)。
5年相対生存率は、リンパ腫の種類によっても異なります。海外でのデータでは、患者数が多いとされるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫では5年相対生存率は64.8%、濾胞性リンパ腫では5年相対生存率は89.0%と報告されています。完全に治すことが難しいリンパ腫では、完全奏効(かんぜんそうこう、CR)や再発を繰り返すこともあります(ページ下部「リンパ腫の再発」をご確認ください)。
まずは、ご自身の病気の状態を主治医に確認し、今後の治療方針を一緒に検討しましょう。
リンパ腫の再発
リンパ腫の種類や患者さんのからだの状態などによって、治療の目標は異なります。リンパ腫の種類によっては、現在の医療では完全に治すことが難しい場合もあります。
治療効果を評価するため、予定した治療が終了した時点でCT検査やPET検査などを必要に応じて組み合わせて行います。治療前に腫れて大きくなっていたリンパ節や腫瘍(しこり)がCT検査で消失、または正常の大きさまで縮小した状態や、PET-CT検査で異常がみられなくなった状態を、『完全奏効(CR)』といいます。
治療によって完全奏効(CR)の状態になった後、時間がたつと再びリンパ腫の症状がみられることがあります。これを『再発』といいます。
再発率はリンパ腫の種類によっても異なりますが、完全奏効(CR)を得られた患者さんのうち20~40%の患者さんが再発し、再発のタイミングは前の治療の終了後2~3年以内であったと報告されています。
再発した場合、患者さんのからだの状態や前の治療などから次の治療法を決定しますが、再発がわかってからすぐに治療を始める必要がある場合も多く、あらかじめ治療法について理解をしておき、主治医と相談しておくことも重要です。
近年、リンパ腫の治療薬や治療法の開発が進み、選べる治療の種類も増えています。 再発は、ご自身にあった次の治療法を考える大切なタイミングです。
『自分に合った治療を見つける』のページにあるリストも参考に、ご自身が治療を決めるうえで大切なものを確認して、主治医と一緒に再発時の治療について検討してみましょう。
リンパ腫の予後
国立がん研究センター がん対策情報センター:がん情報サービス「用語集 予後」
(https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/yogo.html)[2026年2月閲覧]
国立がん研究センター がん対策情報センター:がん情報サービス「用語集 5年相対生存率」
(https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/5year_relative_survival_rate.html)[2026年2月閲覧]
国立がん研究センター がん対策情報センター:がん情報サービス「がん統計 悪性リンパ腫」
(https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/5year_relative_survival_rate.html)[2026年2月閲覧]
National Cancer Institute:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫ーがん統計の事実
(https://seer.cancer.gov/statfacts/html/dlbcl.html)[2026年2月閲覧]
National Cancer Institute:濾胞性リンパ腫ーがん統計の事実
(https://seer.cancer.gov/statfacts/html/follicular.html)[2026年2月閲覧]
リンパ腫の再発
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版)Web版, 2024
Elis A et al.: American Journal of Hematology 2002:69(1):41-44