DLBCLの治療(移植など)
監修:
名古屋大学医学部附属病院 血液内科 講
島田 和之(しまだ かずゆき)先生
自家造血幹細胞移植
 自家造血幹細胞移植の流れ
 自家造血幹細胞移植の流れ
(イメージ図)
チーム医療のための血液がんの標準的化学療法(直江 知樹, 堀部 敬三 監),
 メディカル・サイエンス・インターナショナル, 2013 を参考に作成
自家造血幹細胞移植の治療期間は、前処置の方法や移植後の患者さんの状態などによって異なります。移植に使う幹細胞は、がん細胞を少しでも減らすための抗がん剤治療を行い、減った白血球数が増えるのを促す薬剤を投与してから約1週間後に採取します。移植の1週間〜10日ほど前から前処置を開始し、移植後は生着まで11日間程度、食事が摂れるようになり退院するまで約1ヵ月程度かかる場合が多いでしょう。
 移植に伴う合併症
 移植に伴う合併症
日本血液学会編:造血器腫瘍診療2023年版,2023
 「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 5. びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」
 日本造血・免疫細胞療法学会:造血細胞移植ガイドライン 造血幹細胞, p3, 2021
 飛内賢正 監:血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, p45, 2015
 永井正 著:図解でわかる 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫, 法研, p42-43, p172, 2016
治療後の経過観察
治療効果が得られた場合も、再発する可能性は否定できないため、定期的な経過観察が必要です。
 定期的な通院
 定期的な通院
 注意すべき症状
 注意すべき症状
経過観察中には、患者さん自身が体調の変化に気づくことが重要です。どのような症状があらわれたら受診すべきか、主治医に確認しておきましょう。例えばリンパ節で発症したDLBCLの場合、以下のような症状には注意しましょう。
リンパ節の腫れ(首、わきの下、足のつけ根など)
リンパ節・皮膚の下のしこり
お腹や背中の圧迫感
原因不明の発熱、だるさがつづく
吐き気、食欲不振
原因不明の頭痛や意識がぼんやりする
口が渇く、頻尿がつづく
神田善伸 監:ウルトラ図解 血液がん, 法研, p59-p61, 2020より作成
 
					