DLBCLの治療(二重特異性抗体)
監修:
名古屋大学医学部附属病院 血液内科 講師
島田 和之(しまだ かずゆき)先生
二重特異性抗体
DLBCLの治療では二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)という抗体薬が選択肢になる場合があります。
二重特異性抗体は2つの抗原(目印)及び分子に結合する抗体薬で、分子標的薬に分類されます。
DLBCLの治療で使用される二重特異性抗体は、免疫細胞の一種であるT細胞の表面にある分子と、がん細胞の表面にある抗原(目印)に結合する部位を持っています。二重特異性抗体によってT細胞とがん細胞がつながることで、T細胞が活性化され、がん細胞を攻撃します。
DLBCLでは、初回治療を行っても十分な効果が得られなかった場合や、治療後に再発した場合に、二重特異性抗体が選択肢となることがあります。
(イメージ図)
岡三喜男 著:読んで見てわかる免疫腫瘍学, 中外医学社, p106,107, 2017
越智俊元, 安川正貴:実験医学, 羊土社, 37(15); p231, 2019
野村幸太郎, 熊谷尚悟:医学のあゆみ, 医歯薬出版株式会社, 290(6,7), p482-485, 2024
二重特異性抗体の主な副作用
二重特異性抗体を投与した際に副作用があらわれることがあります。
副作用があらわれるかどうか、またその強さやあらわれる時期は、患者さんによって異なります。必要な場合は、副作用に対する予防や治療を並行して行うこともあります。
- 発熱、血圧低下、低酸素血症(サイトカイン放出症候群)
- 精神状態の変化、言葉が出ない、けいれん発作、意識の低下、脳浮腫(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群)
・・・など
湯田淳一朗:医学のあゆみ, 医歯薬出版株式会社, 290(6,7), p510, 2024