マントル細胞リンパ腫(MCL)とは
監修:
国立がん研究センター 中央病院 病棟医長
棟方 理(むなかた わたる)先生
マントル細胞リンパ腫はリンパ節のマントル層で
B細胞ががん化して発症するリンパ腫です
飛内賢正 監:血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, p18-19, 2015
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)
「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 4 マントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma:MCL)」
B細胞とは
マントル細胞リンパ腫がどのような病気かを理解するには、B細胞のはたらきについて知っておくとよいでしょう。
B細胞は、血液の中にある白血球の一種です。血液は細胞成分(血球)と液体成分(血漿(けっしょう))からなっており、血球には赤血球、白血球、血小板の3種類があります。白血球にはさらにいくつかの種類があり、B細胞は白血球のうちのリンパ球のひとつなのです。
(イメージ図)
飛内賢正 監:血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, p12-13, 2015より作成
マントル細胞リンパ腫の“マントル細胞”とは何ですか?
マントル細胞とは、リンパ節の中にある「マントル層」という部分にあるB細胞のことです。
リンパ節には、「リンパ濾胞(ろほう)」という丸いかたまりがあり、その中心部では、体にウイルスや細菌が入ってくるとB細胞を増やし、免疫を高めます。
そのリンパ濾胞の周りを取り囲んでいる部分が「マントル層」で、そこにあるB細胞を「マントル細胞」と呼びます。
マントル細胞リンパ腫は、このマントル層にあるB細胞ががん化して、異常に増えてしまう病気です。
(イメージ図)
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)
「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 4 マントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma:MCL)」
冨永邦彦ほか:日内会誌 83(6), p867-870, 1994
国立がん研究センター 中央病院 病棟医長
棟方 理(むなかた わたる)先生
がん化したB細胞は異常に増殖し
本来の機能を果たさなくなります
B細胞ががん化すると何が起こるのでしょうか。
B細胞は毎日つくられていますが、その数が一定の範囲内になるように調節されています。しかし、がん化した細胞は異常に増殖するようになり、本来のB細胞の機能を果たさなくなってしまいます。
そのため、がん細胞のかたまりができ、リンパ節の腫(は)れ(しこり)が生じたり、発生した臓器の機能が障害されたり、正常なB細胞が担っている免疫機能に異常が起きたりします。また、がん細胞が放出する物質の影響や、増えたがん細胞に臓器が圧迫されることなどにより、全身の症状が起こることがあります。
(イメージ図)
神田善伸 監:ウルトラ図解 血液がん, 法研, p20, p30, 2020より作図